1. 型締め
金型には可動側と固定側があり、可動側が固定側に近づいて金型が閉まることを型締めといいます。溶けたプラスチック素材(樹脂)を金型内に充填するため金型内には強い圧力がかかります。金型の締め付け力が弱いと製品にバリが出ますので、加工物に耐える型締力があるか事前に確認が必要です。
2.可塑化(溶かす)
射出成形では、シリンダー内でプラスチック素材に熱を加えて溶かすことを可塑化といいます。米粒状のプラスチック材料を、加熱シリンダの中で加熱(200~300℃)し、水アメ状に溶かします。シリンダー内にはスクリューがあり、可塑化した成形素材をかき混ぜて温度を均一にしたり、次に注入する分量をスクリューの進み具合で調整する役割があります。
3.射出(流す)
溶融樹脂を速度調整して金型内に注入することを射出といいます。溶けた材料を、ちょうど注射器のように圧力をかけて金型の中に流し込みます。
4.保圧・冷却(固める)
射出後、溶融樹脂に一定の圧力を加えます。これを保圧といい、溶融樹脂がシリンダーに逆流しないようにすることと、溶融樹脂が冷却すると収縮するため、射出した樹脂に圧力加えて調整する役割があります。金型を巡回するオイルや水で一定温度に保った金型内で射出した樹脂を冷却します。冷却といっても冷たい温度で冷やすわけではなく、金型内の冷却水は20~100度の成形素材に最適な温度で巡回します。100度で冷却というと疑問を持たれそうですが、溶融樹脂の温度は300度近くになるため、100度でも十分に冷却・固化することができるのです。
5.型開き
冷却された樹脂が固まり成形品が出来上がったら、成形品を取り出すために金型を開きます。これを型開きといい、可動側(正面から見て左側)の金型が成形品と一緒に開いていきます。
6.エジェクト(突き出し・取り出し)
金型が開いたら、エジェクターピンで成形品を押し出して取出します。そのまま機械の下に落とすこともできますが成形品にキズがついたり変形する場合があるので、通常は取出し機を使って取出します。